One Note は Microsoft 365 アプリの一つで、キーボード入力やペンでの手書きが可能なデジタルノートです。ClassNotebook は通常のOne Note に加えて Team のメンバーに対して次のことができるようになっています。
- 生徒のノートを教員のタブレットからいつでも閲覧・編集。
- 画像やリンクなどを貼り付けたページの配信。
- 1つのノートを共同編集。
- データの共有(生徒はダウンロードと閲覧のみ可)。
One Note と ClassNotebook について基本的な使用方法からおすすめの機能まで紹介します。
One Note の基本的な使い方
ノートの構成
One Note は「ノートブック」「セクション」「ページ」の3つで構成されています。
ノートブックとはノートそのものです。
教科ごとにノートを分ければ複数の教科のノートが One Note のアプリ一つにまとめることができます。

※「ファイル」の「新規」から新しいノートを作成できます。
セクションとは各ノート内で設定できるグループ(分類)にあたり、ページのグループ分けに使用します。
例えば「数学」のノートブックの中に「代数」と「幾何」のセクションを作り、それぞれのセクションの中にページを追加してノートブックを管理することができます。

※カラフルなタブがセクションです。+マークから追加できます。
ページは各セクションの中に追加することが可能で、キーボート入力したり手書きでメモを取ったりします。
ページは真っ白なものから罫線を引いたもの、背景色を変えたもの、さらに数多くのテンプレートも用意されています。

※ページの右上「ページの追加」から新しいページを追加することができます。
追加されたページは画面右側にページタイトルの一覧で表示され、順番を入れ替えることも可能です。
ページタイトルがページ一覧の見出しになります。タイトルはわかりやすいものにしましょう。
ノートの取り方
入力と描画

キーボードで入力したり、ペンを使って画面に書き込んだりすることができます。
※入力した文字はテキストボックスとして扱われます。テキストボックスの上部をドラッグすれば、ノートの好きな場所にテキストを移動できます。描画の場合は投げ縄選択で囲めば移動できます。
文字の大きさと罫線の幅によってはテキストが背景の罫線とずれて入力されてしまう場合があるので注意が必要です。
拡大縮小
ノート画面をスワイプで広げればタブレットの画面いっぱいに書くことができます。
拡大したとき

縮小した時

ページの拡大縮小ができるため、ページの使い方は自由自在です。
ペン

ペンの種類や色を変えることもできます。
文字を消すときは輪投げ選択で文字を囲んで消すか、消しゴムモードでなぞります。
※指でタッチして書くこともできますがおすすめできません。ペンで書く前提でOne Noteを使いましょう。
気になる書き心地についてですが、タブレットが誕生した初期の頃に比べるとかなり進歩しており、「想像以上に書きやすい」と思います。
ただ、サーフェスペンを使ってOne Note に書くと文字が少しぶれます。iPadで One Note を使うとそれこそGoodNoteにかなり近い書き心地になります。
慣れは必要ですが、罫線を引いたノートで日々書いていれば生徒達もすぐになれます。
ルーラー(定規)

ルーラーを使うことで角度を決めて直線を引くことができます。
ドラッグして定規を動かして中心をスワイプすれば定規を回転させることができます。
定規にペンをあてて好きな長さで直線を引けます。
角度にこだわらないのであれば、この後紹介する図の挿入によって直線を書くほうが楽です
背景の設定

ページ背景は罫線を入れたり、背景の色を変えたりすることができます。
生徒が綺麗にノートを取れるように罫線付きをおすすめします。
ページに貼り付けた画像やペンの太さ、タブレット画面の大きさによってどんな罫線にするかを判断しましょう。
図の挿入

簡単な図形であればきれいに書ける補助機能もあります。
直線を引く機能が手軽で便利です。
ノートに挿入できるもの
One Note では紙のノートやプリントでは不可能なデータの挿入ができます。
One Note の強みですね。
画像や動画データ
ページ上にドラッグ&ドロップするだけで挿入できます。
ただし、フォルダから複数のデータをドラッグして挿入するときはフォルダ内の並びとは逆順で挿入されてしまいます。
複数の画像データなどを挿入したいときは、フォルダ内で降順にしてからページにドラッグしましょう。
パワーポイントを使って授業をしている場合はスライドを画像データにして貼り付けるとスムーズです。
エクセルの表
新規または既存のエクセルデータを挿入することができます。
残念ながらエクセルの入力内容は元データを編集しても更新されません…※
※ エクセルデータがオンライン上にあるものでも、One Note に挿入した時点で、パソコンのローカルフォルダにエクセルの元データのコピーが作成され、One Note に貼り付けたエクセルはそのコピーを参照してしまうためです。そのためエクセルを貼り付けたページを配信したあと更新しても、受取手のページにあるエクセルは配信した時の状態のままです。
各種リンク

表示するテキストとリンク先のアドレスを設定します。
リンク先にはWebページやフォルダを設定することができます。
また、One note 内へのリンクも可能で、以前作成したページを見たいときに便利です。
復習や公式一覧へリンクさせるなど使い方は様々です。
Sway(Webページ) の埋め込み
Microsoft 365 のSwayを埋め込むことも可能です。
SwayとはWebページ作成アプリでこちらのようなページの作成ができます。
(Swayで作成したWebページはこちら)
先ほどのリンクの挿入の場合、リンクが設定されたテキストをクリックして外部のページを開かなければなりませんが、埋め込みであればOne Note 上で Sway で作成したWebページを見ることができます。
埋め込みした部分はマウスかタッチパッドでしか操作できないため
指やペンでのタッチ操作ができないことに注意が必要です。
One Note ClassNotebook の使い方
ClassNotebookの作成(教員側)
①:Teams の ClassNotebook を選択し「OneNote Class Notebook の設定」から「空白のノートブック」をクリック。

②:権限についての説明が入ります。「次へ」をクリック。

③:セクションを設定し「作成」をクリック。後から追加することも可能です。

初期設定はこれだけです。
Teams と連結されているため、チームメンバー全員のノートが一気に作成される。
One Note ClassNotebook の作成(生徒側)
教員側でClassNotebookを設定したら生徒側の設定をします。
①:Teamsの「ClassNotebook」を選択し「デスクトップアプリで開く」をクリック。

※これ以降生徒は自身のOne Noteアプリを開くだけで ClassNotebook のノートにアクセスできます。
ページの配信
⓪:配信したいページを作成します。
ページ作成の仕方については後にまとめました。
①:「Teams」の「ClassNotebook」を開きます。
※デスクトップアプリの One Note からは配信できません。

②:配信したいページを開きます。
※ノートタイトル左の本のマークをクリックし、配信したいページを選択。

③:「クラスノートブック」タブ内の「ページの配布」から「ページの配布」をクリック。

④:画面右のセクション一覧から、配信したいセクションを選択し「配布」。

以上でページの配信は完了です。
個人やグループへの配信もできますし、セクションの配布も可能です。
配信したページを生徒のOne Noteから削除することもできます。
共同作業スペース
ノートタイトルの下にデフォルトで作成してあります。
だれでも自由に、同時に編集することができますが「同時編集人数が多いとフリーズしてしまう」ことには注意が必要です。
同時ではなく、「いつでも好きな時にみんなが編集できる場」として使うのがおすすめです。
One Note ClassNotebook おすすめの機能とその使い方
ページの共有
ClassNotebook なら生徒の取り組みや理解度をいつでもチェックできるため宿題の確認や添削も簡単です。
また、教員のタブレット画面をプロジェクタに表示していれば、生徒の答案を利用した答え合わせもスムーズに行えます。
ブラウザ版やTeams版ではある程度時間を置けば自動で共有されますが、デスクトップアプリは共有まで少し時間がかかります。
デスクトップ版で手動で共有したいときは「ファイル」の「同期状態の表示」をクリックして次のウインドウを表示させます。

「今すぐ同期」を押すと最新の共有状態になります。
受講者の作業をレビュー(Teams版またはブラウザ版のみ使用可)
ワンクリックで指定したページへ飛べるリンク付きの生徒名一覧を表示できます。

表示したいページを選択すると・・・
生徒の名前一覧が表示されます。名前をクリックするとその生徒の先ほど指定したページが表示されます。

生徒の答案をプロジェクタに写した丸付けや、宿題の点検に役立ちます。
生徒一覧は表示されたままなので他の生徒のノートも簡単に見られます。
ノートシール

ノートシールはページ上にシールのように設置することができるテキストボックス付きのマークのことです。ノートシールは全生徒のすべてのノートすべてのページから検索することができます。
例えばシールを設置したページを生徒へ配信しておけば、生徒が自分のページのノートシールに教員への質問を入力するだけで、その生徒の質問を検索により見つけることができます。
ノートシールを設置したページの行にピンポイントで飛べるので、練習問題の横などに設置しておけば生徒の質問対応がスムーズです。

画面右側にノートシールのリストが表示されます。クリックするとその生徒のシールが貼ってあるページに飛びます。
検索する期間も設定できるため、「今日の質問」や「先週の質問」などで絞り込めます。
コンテンツライブラリー
One Note 内の共有データフォルダです(ノートタイトルの下にデフォルトで設置されています。)。教員側はデータの追加や削除ができますが、学生はデータの表示とコピーしかできないようになっています。
コンテンツライブラリーにアップしたものが生徒に消される心配もありません。
また追加でページを配信するまでもないデータの配布に役立ちます。
画像を背景に設定
ノートに貼り付けた画像やPDFデータを背景にすることができます。ペンでノートを取る時に画像に触ってしまっても動かないため、ノート配信をするときの必須の設定です。
授業ノート作成の例
①:画像またはPDFデータを用意
パワーポイントを使っている場合は、スライドを画像データにします。
②:複数選択して One Note にドラッグ(デスクトップ版でもブラウザ版でも可能)
フォルダ内で降順にしてドラッグしないと、OneNote上で昇順になりませんので注意。
③:画像を背景に設定
④:罫線を設定
あとは生徒へ配信するだけです。
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